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人間的相約事春茶

 

4月の佳日 台湾清香斎・解先生のお弟子さん方による茶席が、京都高雄の錦水亭にて開催されました。

会場の錦水邸看板

客として招かれたのは、東京の清香書院社中の方々、日本の煎茶道関係者および京都先斗町 茶香房長竹の常連さん方。長竹組は希望者多数で小声でしかアナウンスしていなかったようなのですが、私は絶妙ともいえるタイミングで、あの話はどうなったの、と聞いたようで、しぶしぶ?メンバーに入れてもらえることとなりました。なんと、台湾から直々に招待状が届きビックリ。

茶会の招待状

そもそも、台湾で茶道なんていうのは存在しておらず、どうやら日本の茶道、もしくは煎茶道を真似て作法を作り上げている過程の様で、一体どんな茶席になるのか興味津々。

案内状によると、受付にて先着順で茶席を選ぶ由。事前に送られてきた茶譜によるならば包種茶からプーアール茶まで、発酵度の違うお茶を各種取り揃えている様。大多数は現時点での新茶である99年冬のお茶だが、中には20年物のプーアールだの、92年春の武夷岩茶などのビンテージもののありました。

1席目は、張さんの席で高山烏龍(梅山)をいただくこととしました。

張さんの席 しつらえ

茶席は解先生の鐘の音で始まります。解先生は。日本でも知られた清香斎という茶芸館のオーナー。台湾茶道の宗匠であります。

合図の鈴

張さんは座布団にちゃんと正座をして座っています。聞く所によると日本での茶会に備えて皆、正座の特訓をしたとか。相客は煎茶道関係のご夫婦と通訳を兼ねて席についた杉山さん。この方は清香斎を訪ねた時にやはり通訳をしてくださった方です。

解先生の茶席では敷布と茶道具、生花のセッティングにお茶の出色で完結するのだそうです。お茶の入れ方は、いかにも解先生流。

5煎ほどいただき、白湯で〆てつつがなく喫茶。なぜかここでお菓子が出てきます。中国では特にお茶席でお菓子をいただくという事も無いのだそうですが、日本にあわせて(しかしながら、始めに出なく最後に)お菓子を出すことにしたそうです。
お菓子は桐の紋が入った煎餅と干しぶどう。煎餅は蓬らしいものが挟み込んでありました。干しぶどうは房になっているものを一つずつ外していただきます。

休憩に入り昼食の後、高山寺参観。京都栂尾高山寺ですがお目当ては日本最古之茶園。日本最古といっても言ったもの勝ちで各地にここが最初の茶園はあるそうですが、栂尾というといわゆる本茶ですので、いかにもホントらしい感じがします。

日本最古の茶園石碑

午後は趙さんの席。お茶は、阿里山包種茶。この方のコーディネートは少し変わっていて、敷布を六角形に配置。お茶碗は張さん同様、漢詩を歌い込んだもの。私のは春望。この席では、清香斎が入っているビルの4階に住まわれているという方。解先生と一緒にいつもネコに餌をあげているとか。

趙さんのしつらえ

さて、肝心のお茶ですが高山烏龍より更に軽めのお茶。いろいろとお話を伺っていると、阿里山のお茶は本来的には烏龍茶用の品種なのを、坪林から阿里山に移ったお茶屋さんが阿里山のお茶を包種茶の製法で製茶したものであるという事。(ご存知のように包種茶は坪林の名産)包種茶の製法というのは烏龍茶の製法とどこが違うのかを質問したのですが、それは趙さんも御存じ無い様子。

ニ席目のお菓子は、わらび餅。お菓子は菓子鉢(菓子皿)をまわして、懐紙で取り分けるのですが、いかにも日本風ではありました。

さて、お茶席も恙無くおわり、余韻を楽しむまもなく夕方のラッシュアワーに巻き込まれぬよう、早々と高雄を後にしたのでありました。

 

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